妻との別れ
2013年。
約2年間の闘病の末、妻が悪性リンパ腫で亡くなりました。
残されたのは、まだ5歳の息子と、開業したばかりの店。
でも、悲しみに浸っている余裕はありませんでした。
生活していかなければならない。
店を守らなければならない。
そして何より、息子を育てなければならない。
どんなに辛くても、その気持ちは押し殺して、店に立てば笑顔でお客様を迎えました。お客様を楽しませることが、自分の仕事だったからです。
一つの誓い
そして、一つだけ自分の中で決めたことがあります。
「この子を大学まで出して、社会に送り出す。」
きっとそれが、亡くなった嫁が一番願っていることだと思ったからです。
だから、父親としても、店主としても、止まるという選択肢はありませんでした。
シングルファザーとして、子どもと向き合ってきて
子育ては、楽しいことばかりではありません。
お金のこと、学校のこと、将来のこと。
親として「なんとかしてあげたい」と思っても、一人ではどうにもならないことだってあります。
2020年、コロナ禍の年。当時小学6年生の息子と2人で二輪日本一周へ。父子で走った1万数千キロが、今も自分の背中を支えています。
僕もこれまで、親としていろんなことを考えながら、子どもと向き合ってきました。だからこそ、ずっと思っていることがあります。
親の置かれている環境や家庭の事情だけで、子どもがやりたいことや、進みたい道を諦めることがあってほしくない。
大きなことはできなくても、自分たちにできることはあるんじゃないか。そんな想いが、少しずつ強くなっていきました。
僕自身も、リユースに助けられた一人です
今回「制服支援をやりたい」と思ったのには、もう一つ理由があります。
僕自身も、與那城寿恵子さんが取り組んでいる「学生服リユースリサイクル ゆいまーる」から、リユース品を購入したことがあります。
子どもは本当に成長が早いです。制服を新品で一式そろえるとなると、決して安い金額ではありません。しかも成長期なので、サイズが合わなくなれば買い替えも必要になりますし、洗い替えなどを考えると数着必要になることもあります。
特にひとり親家庭にとって、その負担は決して小さなものではないと思います。
「捨てる」のではなく、「次の誰かに託す」
でも、僕が「ゆいまーる」の取り組みを素晴らしいと思ったのは、金銭的な負担を減らせることだけではありません。
まだ使える制服がある。
一方で、その制服を必要としている家庭がある。
その間をつないでくれる人がいる。
「まだ使えるものを、必要としている人につなぐ」
この仕組みそのものが、すごく温かいものだと感じました。
新品じゃなくてもいい。誰かが大切に着てきた制服が、次の子どもの新しい学校生活を応援してくれる。
そして何より、「捨てる」のではなく、「次の誰かに託す」。そこには、制服という「物」だけではなく、「次の子にも頑張ってほしい」という人の想いまで、一緒につながっていく。
声魂のVisionから、オキシンへ
声魂では、これまでもVisionの中に「地域・社会貢献」を掲げてきました。高齢者支援やひとり親支援など、地域への恩返しを続けていくこと。お客様だけではなく、地域や社会にも喜んでもらえる存在になること。
今回の世界記録への挑戦を通して、「言葉だけじゃなくて、ちゃんと行動にしていこう。」そう考えるようになりました。
その一歩として立ち上げようとしているのが、「沖縄進学支援会(オキシン)」です。
突然、新しいことを始めるというよりも、これまで声魂として大切にしてきたことと、僕自身が親として感じてきたこと。その二つを、ようやく形にしていく。僕の中では、そんな感覚に近いです。